多少の進み/遅れはあったものの停止せずに動作していたため、「そのうちオーバーホールしなきゃ」とは思っていたものの、気がつくと20年間オーバーホールせずに毎日使用し続けてしまい、いよいよ停止してしまったロレックス・デイトジャストRef.16233Gです。
停止する前に10年以内でゼンマイが切れてしまう事も多いため、20年間使用される事は稀有なのですが、ロレックス、特にこの時計に搭載されているcal.3135はオイル切れを起こしていてテンプの振り角が相当低下しても精度が変化しない、という特性があります。
これは部品の工作/加工精度が高く、駆動エネルギーのロスが少ないためです。
本来は高精度と長い動作持続時間を維持する目的でそのように設計されているのですが、結果的には想定外である「オイル切れを起こしていても、しばらく問題無く動作するので、最終的に停止した場合は部品の劣化/摩耗が激しい」という最悪の事態を招くのです。
お預かり時に撮影したこの画像は非常に綺麗に撮影出来てしまったのでなかなか分かりにくいのですが、20年の間に蓄積された汚れや、リューズの摩耗による湿気の混入により文字盤が劣化/変色していたりするなど、外装だけでも結構ハードな状態です。
これからしばらく、20年間オーバーホールしないで使用したロレックスは、どれだけダメージを受けていて部品交換が必要なのかを詳細に伝えてゆく予定です。