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Channel: 時計修理工房(有)友輝の修理記録
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情報に踊らされない事

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裏蓋を開けて内部を覗くと、ご覧のように各部品の表面が曇って変色しています。
これは、プッシュボタンから侵入した湿気による影響です。

それにしても、これだけ湿気が浸入した痕跡があるにもかかわらず、スチール製の部品にあまりサビが発生していない事がわかります。

これは、部品の表面処理やメッキ技術の進歩によるものです。

1970年以前のクロノグラフの場合、このプッシュボタン周辺に酷いサビが発生しているものが少なくありません。
いわゆるアンティーク時計と呼ばれている、この時代までの時計が同じ程度の湿気にさらされた場合、とても部品表面の曇りだけでは済まないでしょう。

「1970年までに製造された中級メーカー以上のアンティーク時計は現行品のようにコストダウンされた設計では無く、加工・材質が優れているので、防水性能以外のほとんどの面で現行品に勝る」
以前雑誌等でよく目にした記述ですが、そう言っていたのは、アンティーク時計を売る側の人達ばかりだったような・・・

偏らず俯瞰的に判断すると、アンティーク時計が持つ独特の雰囲気の良さはあるものの、防水性に難が有る他にも、電磁波による磁気帯びには決定的に弱いため、現代社会では普遍的な実用品として通用しない面がある事もうかがい知れます。

その逆で現行品の優れた点である防水や耐磁性、安定した精度が得られる反面、嗜好品としては画一的で無機質なところが魅力に乏しいと感じる方も多い事など、様々な事柄を冷静に見極める事が出来ます。

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