ちょっと途中で割り込む形になりますが、前回の記事が「情報に踊らされない事」だった事に加え、この時期になると、ここ数年思う事があり、時計と直接は関係無いのですが、以前から記事にしてみたかった事を書きます。
地域もしくは年代によっても異なるとは思いますが、私が小学生の頃、複数の先生から「スイスは永世中立国といって素晴らしい国なんですよ」と繰り返し教わりました。
私と同年代の知人も、そう聞いた経験があるそうなので、私の住んでいた地区だけに限った話ではないようです。
その言葉以外を失念しているので確かではないのですが、その際に私は「スイスという国は永久に戦争を放棄し、軍隊の類は一切持たないんだな」と解釈したような気がします。(先生の語り方や表情から、おそらくその教室にいた生徒の多くが、そう感じた事と思います)
それから間もなく、航空機マニアだった私は、スイス空軍には強力な戦闘機が配備されている事を知り、「永世中立」というのは「軍備と戦闘を全て放棄し、他国からの侵攻の脅威には外交や話し合いで解決する」という意味では無い事を知りました。
時は流れ、私はスイスと深いかかわりを持つ時計関連の職に就き、実際にスイスへ行く機会を得ました。
画像は2009年にスイスの首都・ベルンへ行った際に撮影したものです。
迷彩服を着た青年が、後ろに自動小銃を置いてベルン駅構内にあるファストフード店で食事をしています。
もちろん、サバイバルゲームの途中でハンバーガーを食べているのではありません。
自動小銃はれっきとした「本物」です
スイスは「国民皆兵」であり、徴兵制度が存在します。
徴兵された青年は、週末に自宅への帰省が許されるのですが、その際も行き帰りは臨戦態勢での行動となり、銃もむき出しで行動します。
実家への帰省中でも、非常事態には即・戦闘態勢で行動しながら部隊へ戻る事が義務付けられているのです。
「永世中立」や観光のイメージから、こういったスイスの実像を知らない日本人は多いのではないでしょうか。
→この記事は次回へ続きます。
P.S. 関係ありませんが、警視庁マスコットキャラクターの「ピーポくん」は裸にガンベルトという、スイスでも一発で職務質問されるような格好をしています。