ローター芯のサビがルビー穴石の周りに散っているのが確認できます。
人造ルビーは圧倒的な硬度ですので、この状態ではローター芯を削りながら動作するのです。
人造ルビーは圧倒的な硬度ですので、この状態ではローター芯を削りながら動作するのです。
その結果、ローター芯(軸)とルビー穴石のクリアランス(隙間)が拡がり、ガタが生まれて時計の部品としては重量物であるローターが裏蓋や他の部位に接触し、それによって削れた成分が機械内部にばらまかれます。
2枚目の画像ではローターと接触した部分のメッキが剥がれ、真鍮の下地まで削れ始めているのが確認できます。
さらに長年の衝撃で、ヒゲゼンマイの形状も偏芯してしまっているのも分かりますね。
さらに長年の衝撃で、ヒゲゼンマイの形状も偏芯してしまっているのも分かりますね。
そのサビまで一緒になった削られた結果である粉末状の成分は、さらに悪い事にまだオイルが残っている部分に集中して付着します。
注油部分=摺動部ですから、その粉末が研磨剤のような働きをしてしまい、さらに他の部品の摩耗を招くのです。
こうなると交換部品が多くなり、高額な修理費用がかかります。
私がよくたとえ話に使う「虫歯が進行して、痛くてどうしようもなくなってしまってから歯医者に訪れた状態」と同様ですね。