裏蓋を開けて内部に目を移すと、内部に侵入した湿気でオイルが変質し、自動巻き用ローター中心軸が錆びていました。
この半円状の自動巻きローターは、当然ながら内部機械では群を抜いて重量のある部品です。
そうでないと、とても腕の動きでゼンマイを巻くという作動は不可能ですから。
そうでないと、とても腕の動きでゼンマイを巻くという作動は不可能ですから。
高級時計ではローター外周部にプラチナや18Kを使用して慣性モーメントを生み出す設計になっているものすらあるくらいです。
ここで厄介なのは、重量がある部品なのでオイルが切れた状態では円滑さは失われるものの、そのまま動作し続けてしまう点です。
中心軸のオイル切れを見分ける方法としては、ローター中心軸部のオイル切れを起こした時計を軽く振ると、わずかに”ブーン”という感触=音や振動が感じられるようになります。
ただし、これも万人が気づくような音や振動ではありませんので、微細な感覚を感じ取る経験が必要ですが・・
オイル切れのまま使用し続けた場合、当然ローター中心軸が摩耗するために、様々な悪影響を及ぼします。
次回はその悪影響の紹介です。