さらにダメージがあったのは、ゼンマイ手巻きの際に、キチ車と噛み合ってゼンマイを巻き上げる「丸穴中間車」です。
下の画像は、使用して若干の摩耗があるものの交換不要な正常品(左)と、この重症サブマリーナのものを並べてみました。
右の歯車は、歯先が完全に潰れてしまっていることが分かります。
オイル切れの状態でゼンマイ手巻きを行い続けると、ほとんどの場合、抵抗や違和感を覚えて手巻きを止めるか、前述のキチ車が先に欠けますので、丸穴中間車がここまで変形しているものは初めて見ました。
お客様からの申し出があった事で、見積もり段階でここまで踏み込んで分解して確認して、交換部品に加える事が出来ましたが、そうでなければキチ車が欠けていなかったために、危うく見逃すところでした。