酸化したオイルがサビの原因となり、さらにそのサビの成分が研磨剤のような役割をしてしまい、3番歯車の軸が上下とも摩耗しています。
この3番歯車が停止の直接の原因でした。
試験的に実証済なので判るのですが、この状態でもサビを除去すれば、とりあえず停止する事は無く動作します。
ただ、テンプの振り角は確実に落ちますので、振動や姿勢差といった外的要因が加わると精度が乱れます。
ロレックスの高精度を復活させるには、ここまで摩耗/変形した歯車は交換が必須となります。
ロレックスの高精度を復活させるには、ここまで摩耗/変形した歯車は交換が必須となります。
過去、正規代理店以外でオーバーホールされた履歴のあるロレックスで、まだオイルが残っている状態(=動作している)であるのに、こんな有様の歯車をいくらでも目にしてきました。
部品の入手が難しく、たとえ入手できたとしても高価なロレックスの部品の場合、見積額に余裕が無くギリギリだったりすると作業する側が交換を躊躇しがちなので、摩耗した歯車をそのまま継続して使用する傾向があります。
特に中古で販売される前にオーバーホールされた場合、買い取り額と売価の関係で出来る限り交換部品の点数を抑える傾向にありますので、こういった摩耗しきった部品でも使用してしまう場合があるようです。
勿論、一部の販売店を除いてそんな事はしていないと思いますので、誠実な中古販売をしているお店は、自信を持って「当店ではどこに出しても恥ずかしくない整備をしております」と胸を張ってくださいね。