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Channel: 時計修理工房(有)友輝の修理記録
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業界の問題点 その7

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この他社での見積もりと、当社の実際例を比較してみましょう。

まず¥2,100のガラスパッキンですが、当社の場合は目視による点検で状態良好で、防水気密試験に合格状態した場合は交換しない事も多いです。
このロレックスの場合は交換不要と判断いたしました。

¥1,050の裏蓋、リューズ部のパッキン交換は、当社では基本オーバーホール料金に含まれております。

バネ棒も点検の結果、サビ、固着は無いので、4~5年後の次回オーバーホールまでは交換不要と判断いたしました。

2番、4番歯車には酸化して変質したオイルが軸に固着していたものの、旋盤による研摩作業で除去可能でした。

この作業に使用する旋盤(画像参照)が大変高価です。
他社では旋盤を所有していないために固着が除去できず、歯車交換という見積もりになったのかもしれません。

ツヅミ車に関しては、顕微鏡を使用した点検でも、交換または加工が必要と思われるほどの変形や劣化はありませんでした。

ゼンマイ交換は当社では¥3,675です。

交換する部品の価格については、仕入れ先が違うという事もあるでしょうし、部品交換を行う判断基準は会社(作業者)によっても異なりますので、一概に“交換不要な部品まで上乗せしている”とは決め付けられません。

実際、他社では見積もりに加えられなかった部品でも、保証期間を過ぎてからの長いスパンまで考慮し、当社では交換必須と見積もる場合もございます。

私が気になったのは交換部品の点数よりも、“テンプ調整”と”サビ取り“の項目です。
その解説は次回に。



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