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Channel: 時計修理工房(有)友輝の修理記録
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業界の問題点 その4

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早速裏蓋を開封して点検しましたが、ご購入から15年経過している事を考慮すると、大変状態は良好で、オイルの固着や歯車軸のわずかな摩耗はあるものの、当社でも比較的安価な見積もりとなりました。

正式見積りは以下の通りです。

オーバーホール(分解・超音波洗浄・組立・注油)¥26,250 
ゼンマイ交換 ¥3,675
2,4番歯車芯研磨 ¥4,200
合計 ¥34,125(価格は完了時のものです)

直接の停止の原因はゼンマイ切れでしたが、もしゼンマイが切れていなければ、そのまま使用し続けていたものと思われます。

ロレックスのような高精度の部品が使用された時計は、部品が摩耗変形しつつも、停止する直前まで、かなり正確な時刻を示すので、そのまま使用し続けてしまう人が後を絶たないのです。

その結果、大幅な進み遅れや、翌朝までに停止しているといった動作維持時間の短縮などといった自覚症状が出てからのオーバーホールですと、交換部品が多くなり、結果として高額の修理となる事が少なくありません。

この価格で済んだのは、ゼンマイが切れた事で、その後の使用を止めるきっかけとなったからです。

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